何だかんだと忙しい近年の僕の正月ではありますが、この中継だけは録画しながらも毎年観ています。一本の襷をチームが一丸となって繋いでゆく光景は、大きな感動と共にこの世界に生きてゆくことに限りない希望を感じさせてくれます。
『まるで濃厚なオムニバスドラマを観ているよう・・・・』と語っている方がいらっしゃいましたが、エピソードなどを交えて見せられると瞳が乾く間などはありません。特に途中棄権を余儀なくされた場面で、倒れたまま号泣し続けている選手を見ていると、何と厳しい試練を与えられたものかと、その人生の過酷さに僕の心は激しく揺れ始めます。
「大丈夫。いつの日か、あれは“恵み”だったのだと云える時がきっと来るはずだから」もし僕が声をかけることが出来るならそんな言葉を云うのだろうか・・・・。それが本当にその人の励ましの言葉になるのだろうか・・・・。などと、テレビ画面の前で釘付けになったまま、つい考え込んでしまうのです。
ゴールラインを越える瞬間に「こんな走りしか出来ずにすまなかった」とばかりに手を合わせる選手もいる。当日の選手交代によって出場出来なくなり、唇を噛み締めながら仲間の応援をしている選手もいる。それぞれに大きな大きな経験を心に刻んでゆく「箱根駅伝」。それは凄まじい魅力で僕の心を捉えて放さない“魔物”のような存在。