「秒速5センチメートル」を観て感動してからというもの、新海誠さんの監督した他作品を観たいと思い、探し続けていたのですが、それが先週末、僕が普段利用しているレンタルDVDの知られざる商品棚(この棚だけにはないと僕が勝手に思い込んでいただけなのですが・・・・)に存在していたことが発覚!すぐにレンタルしてまいりました。
借りてきた二枚のDVDの中には全部で三作品が収められており、内訳は「ほしのこえ」「彼女と彼女の猫」という短編が二本と「雲の向こう、約束の場所」という長編が一本。それだけでは見飽きたらず、勢いのついてしまった僕は、ご本人が活動報告をなさっている“
Other voices”や“Youtube”にアップされているものまで観まくっておりました。
新海さんの作品は、僕の中にある「誠実さ」というものを思い出させてくれたり、普段僕自身が考えるのとはまた違う視点で考えさせてくれたりします。人生はこの「誠実さ」という、とても美しい言葉の意味を探し続けてゆく旅・・・・そんな風に僕は感じることがあります。それは生きている間、不誠実であることから離れられないであろう自分自身と辛うじて共存し続けてゆく術を探す旅であると云えるかもしれません。だから時に新海作品は僕にかすかな、そして深い痛みを与えます。言い換えればそれは、僕自身が生きているという“証”を感じている瞬間。僕にとってはとても居心地の良い場所にひととき降り立たせてもらっている感覚でもあるのです。
新海さんの作品たちと出会った僕は、自分の心と、そして自分の人生と静かに向き合う世界をまたひとつ知ることが出来たような気がしています。僕を通して常に流れ出している想像の世界ではこうした作品より受け取ったイメージやメッセージが化学反応を起こし、それがまたいろんな形で僕へとフィードバックされてきます。何とこの世界は面白いものなのでしょう。