バレエというものに関心がある人がどれ程いるのか知らないけれど、少なくとも僕はこの映画を観て、生のバレエを観たくなってしまいました。
とにかく美しい作品。でも美しいだけではなく、観る者にバレエ団の中で生きるということを正直に伝えてくれます。素晴らしい群像劇です。アメリカで最も愛されていると云われる“ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴ”の現役ダンサーがとても自然な姿で映し出されているのですが、まるでドキュメンタリーのようなリアリティ。
ストーリーの中で、このバレエ団の芸術監督であるミスターAの指示に反感を持つ者やミスターAのやろうとすることを必死になってフォローする者たちが出てきます。そんな場面では、芸術を共に創り上げてゆくことがどんなことなのか、ということの一端が、そうした世界を知らない人にも容易に感じ取れるように描かれています。これから芸術の世界を目指す人にはぜひ一度は観て欲しいと感じた作品でもあります。何かを表現し、誰かと感動を分かち合いたいという気持ちにさせてくれる映画。僕はかなり好きです。一週間の間で何と3回も観てしまいました。ってことで、“爆お奨め”。